2012年12月25日火曜日

第8回「三朝町の正月の風物詩“とちもち雑煮”。そのユニークな内容とは?」


三朝町では“当たり前”、全国的には“???”の
おめでたい「ソウルフード」







皆さんは正月にどんなお雑煮を食べられますか? しょうゆ味に白みそ、赤みそ。もちも、丸もち、角もち、焼く、煮ると各地様々ですね。ある意味「お雑煮」というのは地元に愛され続けている「ソウルフード」かもしれません。

さて、今回ご紹介する「三朝とちもちぞうに」は「小豆雑煮」。一般的には「ぜんざい」です。小豆のお雑煮は全国的にも珍しく、三朝町のほか鳥取県沿岸部、県外でも島根県西部、岡山県北部や兵庫県北部の一部の地域でしか食べられていないとか。しかも三朝町のそれは、普通の白もちではなく三朝町の町木であるとちの木の実を使った「とちもち」を入れるのが特徴です。




その「三朝とちもちぞうに」を正月だけではなく普段から提供しているお店があると聞いて、三朝町の「味処 華」を訪れました。“三朝米のおにぎりととちもち”が大好きという三朝温泉のキャラクター「湯けむり怪獣・ミササラドン」も応援に駆けつけてくれましたよ。「三朝とちもちぞうに」をお見せしましょう。






みんみんさん再登場!
ミササラドンと“華”あるコラボ





取材で伺った「味処 華」の料理長・御船孝義さんは、山陰の人気情報番組のレポーターとしても活躍している「みんみん」さん。ちなみに『鳥取牛骨ラーメン』の回に続いて、2回目の出演です。

そして「三朝とちもちぞうに」の魅力を聞くと、グルメレポートの経験豊富な彼の口からは次のような言葉が出てきました。

「とちもちの香ばしさと食感、これがいいんです。

 そして“ぜんざいスタイル”、三朝の正月の“味”ですよ」







“ぜんざい”ではなく「お雑煮」、さらに「とちもち」
三朝町民の「ソウルフード」なのだ





「味処 華」では「三朝栃もちぜんざい」というメニュー名で提供、こうする事について聞くと、

「雑煮とはいっても“ぜんざいスタイル”なので、「味処 華」では、県外からの観光客に“わかりやすく”するため、あえてメニューは「ぜんざい」と記しています。地元では「雑煮」ですけど、実は観光客には「食後のデザート」として好評ですね」

ちなみに取材スタッフO(三朝町出身)曰く「大晦日の夜更かしで眠たい元旦、家族の「もち何個(食べる)~? 白? 黒(とちもち)にする~?」の声で起こされた記憶のあるのが三朝町民という“説”もあるとか。三朝人にとっては新年に欠かせない“心の味”なんです」 













「栃もちぜんざい(400円)」/味処 華(東伯郡三朝町)








●取材メモ

とちの実はアク抜きにとても手間がかかるが、その方法でもちの味が決まる。かつては各家庭ごとに“とちもち”があったそうだ。小豆が貴重品だった時代は、新年の贅沢として食べられていたという「小豆雑煮」。そして食べると「中気」という病気を防ぎ、正月に子供に食べさせていたとちもち。「三朝とちもちぞうに」はめでたく、かつ健康を祈願する、正月にふさわしい逸品といえる。後世に伝承していくべき食文化だ。

なお「三朝とちもちぞうに」は、とちの実はもちろん、三朝町産の小豆ともち米を使っているという。


住所:東伯郡三朝町三朝791-17 
営業時間:11:30~14:00 17:00~23:00 
定休日:水曜 
電話:0858-43-0006 


〈味処 華〉の詳しい情報はコチラ 





【三朝とちもちぞうに縁JOY会】に聞く

三朝温泉の名の由来は「三回朝を迎えると病が治る温泉」からきているといわれています。それは「年の朝」「月の朝」「一日の朝」の三つの朝ともいわれ、「お正月」とも関係しているが、前述の通り全国的にも珍しい三朝町の正月の縁起物「とちもち雑煮」は、とちもちを作る家庭が減少しているのも事実。そこで「とちもち雑煮」を通じて地域の活性化や文化の伝承をしようと有志が集まり、2012年の旧正月(1月23日)に結成されたのが『三朝とちもちぞうに縁JOY会』です。

会長の中村恭久さんと事務局をしている三朝町商工会の主任・小椋秀一さんに話を伺いました。








「名前にある通りエンジョイ、楽しんで活動することがモットーです」(中村さん)

「町内だけでなく、県外の方にも知っていただきたいですね。そのためにPR活動をしていきたいです」(小椋さん)

今後は町内のとちもち(雑煮)の分布を調べてマップを作成したり、とちの実のアク抜きのレシピを記録に残す活動も展開中とか。

今後は県外にも出展して「三朝とちもちぞうに」を通じて三朝町のPRもしていくそうで、楽しい“良縁”がどんどん広がっていくはずです。



「三朝とちもちぞうに縁JOY会」の問い合わせは、
三朝町商工会
東伯郡三朝町三朝973-1  電話:0858-43-3131







●観光情報-1
湯けむりのまち・三朝温泉は、上原多香子主演の映画「恋谷橋」で脚光を浴びた「恋谷橋」があり、恋人達のあこがれの温泉街としても知られています。スイートスポットを観光したら「味処 華」で伝統の“スイーツ”を堪能しよう。

三朝温泉観光協会のホームページはコチラ


●観光情報-2
地酒「三朝正宗」を製造している三朝町・藤井酒造合資会社の「白狼(はくろう)古酒原酒1996」が、イギリスで開催された2010年「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」の古酒部門で金賞。2011年大会でも「白狼古酒原酒1998」が金賞を受賞するなど、“鳥取の地酒”を海外にアピールしています。三朝温泉でほっこりしたあとは、銘酒をお楽しみください。

藤井酒造合資会社のホームページはコチラ


●観光情報-3
三朝温泉に来たら、国の重要文化財に指定されている「三徳山 三佛寺」にもぜひお立ち寄りください。なかでも岸壁に建つ「国宝・投入堂」は圧巻です。ふもとの展望鏡から観る事も出来ます。
三徳山 三佛寺のホームページはコチラ

2012年12月20日木曜日

第7回「弓浜半島のビッグなごちそう、いただきの“頂上”を目指せ!」その3


いただきの新スタイル!釜炊きが登場


前回はいただきの新たな組み合わせに、さらなる可能性を実感しましたが、またもや新たな情報が入って来ました。
今度はいただきそのものが新たなスタイルになって登場したとのこと。
ごはんと揚げを使いつつも、全く新しいというそのスタイルとは果たして
さっそく現場である米子駅前の評判店に行ってみました。



和の空間で新スタイルのいただきを


場所は12年6月に米子駅前にオープンしたばかりの『こうりん坊 山月庵』。
店舗外壁に飾られた、米子の夏の風物詩『がいな祭り』で知られる大きな万灯が目印です。
ほとんどが個室という店内には、中庭もあり和風の空間でのんびりとくつろげると人気上昇中。


揚げは手のひらサイズ
ビッグな大山どり入り


こちらのいただきは2個セット。手のひらサイズの大きな揚げに、ゴボウやコンニャク、地元ブランド鶏『大山どり』といった5種の具とあわせた生米を詰めていきます。
「(詰める時は)量の加減が難しいですね。多すぎても少なすぎてもいけないので、気を使います」(スタッフ・徳永さん)
続いては蒸し。実はここからが、『こうりん坊』のいただきの真骨頂。
調理長のオリジナルアイデアという釜飯用の容器に、一人前ずつ具を詰めたいただきを入れ、特製の出汁をひたひたに注ぎ炊きあげるんです。
つまり、いただきの釜飯
「炊くのに13分。そのあと5分蒸らすことでちょうどよくモチモチに炊きあがります」(徳永さん)




一人前ごとに蒸し上げる
釜飯と同じスタイル

そして、オーダーから約20分。
一人前がに入った、新スタイルのいただきの完成です!



アツアツ出来立ての釜飯
いただきの新スタイルに感動


フタを取るとすぐさまフワッと上がる湯気からは、特製ダシの優しい香り。
いただきを食すべく取り出すと、取り皿を埋め尽くすビッグさ。さすがいただき!
ちなみに新スタイルとはいえ、食べ方はやはり同じ。
ジューシーな揚げとモチモチ米のいただき、口を大きく開けていただきます!


「米子名物いただき(504円)/こうりん坊 山月庵(米子市)」




取材メモ
オーダーが入ってから炊き始めるため、常にアツアツの出来立て。
珍しさから注文する人も多く、県外・県内問わず人気上昇中。
具材はゴボウにシイタケ、さらに大山どりと山の恵みをより感じる逸品だ。
大きめサイズで入る噛みごたえ十分な大山どり、揚げのジューシーさ、米のモチモチ感に甘く香りもよい特製出汁、多彩な味の饗宴を堪能あれ。

店舗情報
住所:米子市明治町140
営業時間:17:00~翌1:00
定休日:無休
電話番号:0859-31-5678



観光情報

12月といえばクリスマス。『こうりん坊山月庵』のすぐ近く、JR米子駅前広場もイルミネーションに彩られ、幻想的な雰囲気に。米子駅からシャトルバスの出ている南部町『とっとり花回廊』では、クリスマスイルミネーションイベントを開催中(12月25日まで)。ちょっとロマンチックに決めてみてはいかが。なお、1月からはウィンターイルミネーションが始まり、1月1~3日は『冬花火』とが新春の夜空を彩ります。こちらも必見!


2012年12月14日金曜日

第7回「弓浜半島のビッグなごちそう、いただきの“頂上”を目指せ!」その2


中華店の放つ逸品、いただきの新コラボに出会う



現在20店舗と、提供店舗を着々と増やす弓浜半島の伝統食『いただき』に、なんと中華とのセットが誕生したという話を耳にした調査員。
さっそく現場である米子市『中華料理 大連』に急行し、その真相を確かめてきました!


ガッツリ派の愛するマチの中華店


米子駅前から南に一分、『大連』は運動部の男子や働く男性など、ガッツリ派から大きな支持を受ける中華料理店。その理由は「なんでも大きく多めがいい」と語る店主による、サービスたっぷりのボリューム!
看板メニューの、溢れんばかりのあんがのった「みそちゃんぽん」でも有名な中華店での『いただき』とは、果たしてどんな姿を見せてくれるのでしょうか?



メインは『いただき』、お伴はラーメン


「いただきセットください」。そうオーダーししばらくして、目の前に現れたのは、いただきが2つにラーメン半サイズという、中華とラーメンのコラボ。
繰り返しますが、いただきが2つに、サイズのラーメン。
あくまでも、メインはいただきなのです。しかもその大きさも大きめサイズ!


★「普通(いただきは)うどんやソバとセットのイメージがありますが、あえてラーメンに合わせてみました。地元だけでなく県外の方の注文もあり、皆さん意外に合う!と驚かれますね」(店主・徳中志伸氏)

それでは、さっそくいただいてみましょう!


旨みたっぷりのいただきと
あっさりスープの絶妙コンビ


今回実食するのは、実はいただきは初挑戦という鳥取県東部出身の調査員H
前回(炉端かば)の動画で教授いただいた通り、思い切って口を開け、ガブリといただきます!

「揚げがすごくジューシー!想像以上にしっかりとご飯に出汁が効いていて、このままペロッといっちゃいそうです(笑)」(調査員H

そして続いては鶏ガラ&牛骨ベースのスッキリ系のラーメン。

「ラーメンスープは逆に、思っていたよりあっさり。甘めの味付けのいただきとラーメンなら交互に食べたくなりますね」(調査員H

ご飯にしっかり染みた甘辛出汁にスープの旨みが混ざり合い、ひと口食べればさらに次のひと口、次のひと口と、快調に食べ進めていく調査員H。ボリューム満点のセットでしたが、見事完食!



「もう満腹!大満足です。お腹がいただき並に大きくなっちゃったかも(笑)」と、食後には調査員から幸せな悲鳴も上がった次第。


特別編「いただき実食」

先に述べたように、メインのいただきはけっこう大きめ。
ニンジン、ゴボウ、鶏肉が入った正統派のいただきからは出汁の香りも漂い、見ているだけでお腹が鳴ってくるのです!

「半ラーメンいただきセット(700円)/中華料理 大連(米子市)





取材メモ

★12年春頃の提供開始以来、話題を呼んでいる新セット。
スープは鶏ガラ&牛骨ベースであっさり。いただきも優しい味わいで、2つという量ながらスルリと胃袋に入っていく。
モチモチ&ジューシーないただきと、コシのあるラーメンとの食感の対比もまた楽しい。
いただきの新たな可能性を感じる逸品は、ガッツリ派ならずとも必食だ。



店舗情報
住所:米子市末広町149
営業時間:11:0014:0018:0020:30
定休日:日曜
電話番号:0859-22-4895


店舗の詳しいデータはこちら
<鳥取食録:看板メニューのみそちゃんぽんは絶品!!「大連」>

観光情報

しっかり食べた後は一休み。JR米子駅から車で約15分、冬期はコハクチョウも訪れる名所『米子水鳥公園』にて、優雅な姿を眺めながらゆったりとした時を過ごしてみよう。


2012年12月6日木曜日

第7回「弓浜半島のビッグなごちそう、いただきの“頂上”を目指せ!」その1



西の玄関口にて、まずは最初のひと口を

前回のおこわに引き続き、今回ご紹介するのも“お米”のご当地グルメ。
忙しい師走にピッタリ、すぐ食べられて、しかも食べ応え満点のビッグなごちそう。
それが、米子市から境港市にかけての『弓浜半島』にて愛されてきた「いただき」です。

始まりは明治の中期頃といわれるいただきは、名峰・大山(だいせん)を思わせる大きな三角の油揚げに、ぎっしり米と具をつめ、それぞれの家庭の味の出汁で炊き上げます。
家庭料理というイメージのあるいただきですが、実は近年では食の祭典や、各種イベントに多数出展。そのたびに完売続出という超注目、話題のご当地グルメなのです。

そんないただきの真実に“登りつめて”いくには、まずは歴史から。いただきで米子のマチを元気にするべく活動している市民団体『米子いただきがいな隊』団長の松原毅さんにお会いしました。

●『いただき』とは?
弓浜半島にて“家庭の味”として愛されてきたという『いただき』。その始まりはなんと明治中期頃! 100年以上もの長い伝統のある逸品だったのですね。

 



さて、予習も終わったところでいよいよお待ちかね、いただきに会いに行きましょう!


滑走路を眺めながら
ご当地の味を堪能

  

今回の舞台は『炉端かば 米子鬼太郎空港店』。空から降り立った旅人が、最初に出会ういただきを、米子市のイメージキャラクター『ヨネギーズ』より『ネギ太』とともにご案内!
実はこのネギ太、フジテレビ「笑っていいとも」に出演し、全国へいただきを紹介したことのある経歴の持ち主! その“通ぶり”にも期待できそうです。


現れたる蒸したての“いただき”
大きさ16センチ!のビッグめし


せいろを開けると、湯気とともにふわっと漂う出汁の香り。
姿を表したいただきに「大きい!」と驚く調査員に対し、ネギ太いわく「これで普通の大きさですよ」。
(調査員、驚きのあまり160センチと言ってしまっておりますが、正しくは160「ミリ」です。でも、思わずそう言ってしまうほど“デカい”のです!)

ジューシーな揚げに頭から
“かぶりつき”でいくべし!


とにかくビッグないただきですが、初めてだと「どう食べていいか分からない」人もいるはず。そこで、『炉端かば』スタッフの生田敦子さんに食べ方の“お手本”を見せていただきました。
「どうぞ」と言うやいなや、生田さんは「私はやっぱり、かぶりついていっちゃいます!」と、アツアツを大きく口を開けて豪快にパクリ。「美味しい〜!」
それを見てネギ太も、その大きな口で一口でぺろり。「もちもちのご飯と出汁の香りがもう最高!何個でも食べられちゃいそう」と味にも大満足!のようです。



☆「旅行で来られた県外の方にオススメしています。皆さん大きさにびっくりされますが、帰るときには「美味しかった」と言ってもらえて嬉しいですね」(生田さん)


“いただき通”ネギ太も太鼓判
旅のお伴にもぜひ
 


ネギ太はすっかり気に入ったようで「(相方の)ネギ子にも食べさせてあげたい」と、いただきを“お持ち帰り”。
そして「これからも県外のファンを増やしていってください!」と、生田さんを激励。その心にはいただきの如く、地元への愛をぎっしり詰めているようでありました。



「浜のいただき(味噌汁)(400円)/炉端かば 米子鬼太郎空港店




●取材メモ
県産米を使用し、具はシイタケ、ニンジンといただきの王道をいく逸品。
たっぷり出汁の染みた揚げもジューシーで、しっかりした味付けに、肴として楽しむ人もいるとか。
持ち帰りもできるゆえ、飛行機の中で“空弁”もオススメ。
店舗は空港ビル内にあり、滑走路を見下ろす大きな窓で旅気分も盛り上がること間違いなし!


住所:境港市佐斐神町1643 米子空港ターミナルビル2F
営業時間:8:0022:00LO21:30
定休日:無休
電話番号:0859-45-3377

店舗の詳しいデータはこちら

●観光情報
ビッグなグルメを楽しんだら、ビッグな“魚”に会いに行こう。桜の名所としても知られる境港市の台場公園にある『海とくらしの史料館』は、700種類、4000点という点数日本一の魚のはく製を楽しめる“海のない水族館”。全長4.2mのリュウグウノツカイやホオジロザメ、マンボウなど、間近で見る巨大はく製は圧巻!


●特別動画最後に読者の皆さんへ「米子いただきがいな隊」からのメッセージを“いただき”ました。


『米子いただきがいな隊』は、201110月に米子市内の有志により結成。県内外のイベントでのPRや提供店舗の拡大に向けて日々活動中!
いただきがいな隊の活動の模様はこちらでも見られます。

2012年11月22日木曜日

第6回「ほっこり癒しの郷土の味、大山おこわと紅葉を楽しむ」その3


“オール大山”のおこわ定食


江府町大山おこわの旅、最終回の舞台は『門脇旅館』。

創業以来、奥大山を目指す旅人たちに安らぎを与えている旅館は、昭和の趣を残し旅情もたっぷり。
今回は、そんな旅館の一室にて、大山おこわと地元の恵み満載の定食をゆったりといただいてきました。
 


純和風のくつろぎの間に
山の恵みが姿を現す


今日レポートを行う編集部M曰く、「初めて来たはずなのにどこか懐かしい」。そう思わせる風情ある純和風の一室は、まさに正統派。
しばしノスタルジックな気持ちに浸っていると、ほのかに甘い香りとともに、お目当ての大山おこわの定食が運ばれてきました。

30年の伝統の味に
ココロもカラダも大満足


さて、いよいよ今回の主役、大山おこわのお目見え!
フタを開けると、ふわっと優しく甘めの出汁が香ります。
「元は地元のお祝いの席で作られていたもので、お客さんには30年ほど前から出しています。昔は鶏肉ではなく山鳥を使っていたんですよ」(代表)
鮮やかな黄色が器を彩る銀杏も地元で採れたもの。
もちもちのおこわは噛み締めるたびに優しい味わいが広がります。

なんとこちらのおこわ、実はおかわりもOK(一人一杯まで)。
代表曰く、「やはりおかわりされる方が多いですね」。
というわけでやはりここは、元気よく「おかわり!」といきましょう。


おかずは全て旬の幸
これぞ秋の味覚三昧


さて、大山おこわと同時に目を奪われるのが、ずらり並んだ多彩なおかずたちです。
カラッと揚がった天ぷらの盛り合わせは、きのこ、春菊、さつま芋、柿の4種。ハヤトウリの酢の物、大根となめこ(天然もの!)の炊き物、春菊の和え物の小鉢に、吸い物にはすりおろした山芋が入ります。
もちろん全て地元産。まさに、大山の恵みの豊かさを実感する逸品ですよ、これは。


暖かみあふれる手作りの味はカラダにスッと入っていき、気づけば完食。
「なんだか体が軽くなったような気がしますね」(本サイト調査員M

なお、希望すれば日野川で採れた川魚などさらなるボリュームアップも可能。おこわは持ち帰り用もあります。
大山の恵みをカラダ中で感じた一日でした。


「大山おこわ定食」1000円~(門脇旅館/江府町)
※要予約、内容応相談(価格に変動あり)




取材メモ
玄関から「大山おこわ」の文字がお出迎えしてくれる『門脇旅館』は、まるで我が家のようにくつろげる雰囲気。旅人に愛される一店だ。
スキーに渓流釣り、トレッキングなどレジャーに向かう人達をもてなしてくれるのは、山菜、川魚など江府町の旬の幸の数々。
30年続く、ほのかな甘さと出汁の香りも印象的な大山おこわの定食をいただけばココロもカラダもリフレッシュ間違いなし。


●店舗情報
住所:日野郡江府町江尾2064
営業時間:10:0014:00
定休日:不定休
電話番号:0859-75-2053

観光情報
紅葉が終われば、次に奥大山を包むのは一面の銀世界。
雄大な大山の自然をバックにしたゲレンデを滑れば気分も爽快だ。


2012年11月15日木曜日

第6回「ほっこり癒しの郷土の味、大山おこわと紅葉を楽しむ」その2



伝統食の新たなる進化!“片手で”食べられる大山おこわ


戦国時代から続く伝統を持つ、江府町の大山おこわですが、実は平成も“20を過ぎた今、ニューフェイスが誕生しているんです。
それが、「2010とっとりバーガーフェスタ」にて、奥大山会場でグランプリを受賞したという輝かしい経歴を持つ『岡本旅館』の「大山おこわ飯(はん)バーガー」。
大山おこわを提供する旅館が自ら作る、名物バーガーのすべてをまるごとお見せします!





今回の舞台、『おかもと旅館』は、米子道伯備インターから3分、JR江尾駅から徒歩2分という観光にも便利な立地。
アットホームな雰囲気に、長期滞在する人も多いとか。

そんな旅情を感じさせる旅館が創作したバーガー”、その全貌がいよいよ明らかに!
さっそく、調理場にお邪魔して調理の模様を撮影させていただきました。



もっちり、パリッとバンズの秘密は
絶妙加減の押し焼き

まずはバーガーの大黒柱であるバンズ作りから。
地元のもち米にシイタケ、ニンジンなどの野菜の入る自家製大山おこわを型に入れ、押しつぶして成形。
食べやすいようしっかり形を作り、かつ大山おこわのもっちり感をほどよく残すためには「きつすぎてもゆるすぎてもいけない」という、ここ(成形)での力加減が非常に重要なのだそうです。

そして形を整えたバンズは、よく熱した鉄板の上で焼きパリッと仕上げます。
もうこれだけで十分に美味しそうなバンズが出来上がりました。


甘辛和牛に山椒マヨソース、
おこわで挟めばできあがり!

「大山おこわ飯バーガー」のもうひとつの主役は鳥取和牛。こちらは地元の加工品生産者団体「美用レディース」の焼き肉のタレで甘辛く炒め、味の決め手はピリッとスパイシーなトッピングの自家製山椒マヨネーズ。
最後にゴマをふりかけて、大山おこわ飯バーガー、ここに完成!

特別インタビュー
「大山おこわ飯バーガー」の誕生秘話を、『おかもと旅館』代表・岡本健二さんに聞いてみました。



★「大山おこわはそれだけで完成されているものなので、具材選びに苦労しました」(岡本さん)


バーガー片手に大山へ出かけよう

400年の歴史を経てついにバーガーへと進化を遂げた大山おこわ。
「いつでもどこでも手軽に食べられる」のがバーガーの魅力。
大山おこわ飯バーガー片手に紅葉の大山へ出かけ、大山おこわ、紅葉という二つの名物を同時に楽しんではいかが。






「大山おこわ飯バーガー」(400円)/おかもと旅館(江府町)※要予約





取材メモ
2010年の「とっとりバーガーフェスタvol.2」の奥大山会場にてグランプリを受賞。
それ以来味の追求を続け、現在では地元加工品生産者団体「美用レディース」のタレを使用するなど、さらにご当地度をアップ。
甘辛く炒めた鳥取和牛は大山おこわと相性抜群、さらに自家製の山椒マヨネーズがコクに、ピリッとした刺激をくわえ、一度食せばクセになる旨さ。
鳥取県西部を中心に食のイベントへ出展することもあり、着々とファンを増やしている。

写真下は、持ち帰り用の「おかもと旅館の大山おこわ」(500円)。
50年間守り続けるほのかに甘い優しい味わいに、定番の鶏肉や油揚げのほか地元の旬の山菜も入り、地元の恵み満載だ。お土産にもぜひ。

住所:日野郡江府町江尾2051
営業時間:8:0020:00
定休日:不定休
電話番号:0859-75-2222



観光情報

片手にバーガーを持ったら、もう片方の手にはぜひ“カメラ”を
大山No.1の絶景スポット「鍵掛峠」や日本最大級のブナの原生林、日野川の清流など四季折々で変化する名所を数多く有する江府町は、絶好の撮影ポイント揃いなのだ。



2012年11月8日木曜日

第6回「ほっこり癒しの郷土の味、大山おこわと紅葉を楽しむ」その1


大山おこわ発祥の地にて、120年以上続く伝統の逸品『米子屋』


中国山地の広がる鳥取県にて、この秋、豊富な山の幸と合わせて楽しみたいのが、西日本有数の名所、大山(だいせん)の鮮やかな紅葉。
中でも美しいとされるのがここ江府町奥大山エリア。そしてこの江府町には実は重要な名物があるのです。それは、戦国時代から続く長い歴史を持つ郷土料理『大山おこわ』。

元々は江尾の城主が領民たちに教えたことから広がり、ハレの日にそれぞれの家庭で作られていたと伝えられる逸品。近年ではこの郷土の味をもっと県外にも広げていこうという動きも盛んになっています。
今回は、百貨店や食のイベントにも数多く出展し、積極的に江府町の大山おこわをPRしている『米子屋旅館』にて、大山おこわの“美味しさ”と魅力に迫りますッ!




明治創業の老舗旅館にて
伝統の味をいただきます!


『米子屋旅館』の創業は明治18年。
古くから旅人に愛されてきた老舗旅館は、店構えも趣きあふれる佇まい。
今回の案内役は20135月に鳥取県で開催される『第64回全国植樹祭』のマスコットキャラクター、鳥取県(ト)と樹(キ)を合わせ、後ろ姿は大山をモチーフにしているという「トッキーノ」、そしてPRキャラバン隊の寺尾さん。
実はトッキーノは「しいたけが大好き」とのこと、レポートに向けて気合十分!樹の如く“根幹”はしっかり、“ゆるく”はないレポートでお届けします。





地元産もち米を具と合わせ、蒸し上げる



具材は前日に下ごしらえをした鶏肉、コンニャク、ゴボウ、シイタケといった山の幸、そして水車で鬼皮を剥くという大きな栗。「毎年、この時期に家族総出で、地元の皆さんにも手伝ってもらって栗の下ごしらえをしています」(米子屋代表・江本由美さん)という、実に手間ひまがかけられているのです。
この具としょうゆ出汁、地元のもち米を混ぜ合わせ、約1520分蒸し上げます。



400年の歴史を誇る「大山おこわ」、その真相を米子屋代表の江本さんに聞きました。


★「すごくお米が美味しい、栗が大きくて美味しい、と県外の方にも好評頂いています」(江本さん)。関東方面から発送の依頼も多いとか。





食欲そそる出汁の香り、フタを開ければそこには山の恵み


15分経過し、いよいよ蒸し上がりの時!
せいろから上がる蒸気からは、山菜と炊きたての米、そして出汁が合わさったいい香りが漂います。
「蒸し上がったら、味のムラをなくすためしっかりと混ぜるのが美味しくするポイントです」(江本さん)

目の前にやってきたホカホカの大山おこわに大喜びのトッキーノ。
しかしここはレポート、言葉が必要ゆえPRキャラバン隊の寺尾さんに実食をお願いしました
「大山おこわ、初めて食べました。具にもご飯にも出汁の優しいお味がしっかりついていますね。森の恵みを感じます!」(寺尾さん)




立派なクチバシでしっかり完食、トッキーノも大満足!


続いては、トッキーノもクチバシにおこわを運んでもらってパクリ。
「うれキーノ!美味しくって羽が取れちゃいそう!」と大好きなシイタケも入った出来立ての大山おこわに“ご満悦”。
羽をバサバサ揺らして、美味しさを全身で表現してくれました。ありがトッキーノ!

大山おこわから大山の恵みをもらったトッキーノ。「これからますます元気に植樹祭のPR活動に励んでいけそうです!」

「大山おこわ定食」(1260円)/米子屋旅館(お食事処 米子屋)(江府町)









●取材メモ
120年受け継がれる「米子屋」の大山おこわは、地元産もち米に野菜も県産。
自然で優しい甘さはこれぞ“ふる里の味”、さらには水車で鬼皮を剥く大きな栗の絶妙なホクホク食感も魅力のひとつだ。
同館のある江尾(えび)地区は、清流・日野川と船谷川が合流し、東には大山を望む自然豊かな宿場町。ゆっくりと癒しのひとときを過ごそう。

住所:日野郡江府町江尾2000
営業時間:11:0014:00
定休日:第2・4日曜(予約の場合営業)
※上記営業時間、定休日は食事のみの場合です。宿泊については別途ご確認ください。
電話番号:0859-75-2400

店舗の詳しいデータはこちら


奥大山は紅葉シーズン真っ最中。大山おこわをいただいてひと息ついたら、奥大山までドライブして紅葉狩りを楽しんでみよう。


●特別動画
それでは最後に、今回の案内役、トッキーノが活躍する第64回全国植樹祭のPR動画をどうぞ。


また、収録の模様はトッキーノのブログでも紹介いただきました。こちらもチェック!
トッキーノ日記